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ミッション(ギヤ)オイル交換

2015.04.25.施工/公開日

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 KeiworksのFF(2WD)車のミッション(ギヤ)オイル交換します。

 
 ★今回取付する商品の紹介

・トヨタ純正ハイポイドギヤオイルLSD GL-5 85W-90

トヨタ純正ハイポイドギヤオイルLSD GL-5 85W-90 4L缶 [08885-00305]【詳細】

・品番

・容量

・オイルの色

・API

・適合SAE粘度

08885-00305

4L

赤 → かき氷のシロップみたいな色

GL-5 LSD対応ハイポイドギヤ用(乗用車・トラック用)

LSD対応マルチグレード 85W-90

※SUZUKI純正のギヤオイルを使用する方は、下記の物を使用してください。

 SUZUKI純正4輪ギヤオイル GL-4 75W-90

 ↑私の住んでいる地域のSAB,YH、ホームセンターでは販売していません。

 
 ■表示されている粘度の数字 と GL規格について

【表示されている粘度の数字】

 ミッションオイルの缶に記されている「75W-90」「85W-90」といった英数字の意味は、

 Wの左側の数字が低温時に油膜を形成できる性能で、数字が小さくなるほど性能が上がります。

 ハイフンの右側の数字が高温時に油膜を形成できる性能で、数字が大きくなるほど性能が上がります。

 

【GL規格】

・ギヤオイルは米国石油協会(API[American Petroleum Institute])によって、GL規格が定められています。

 GL規格は6等級に区分しているので、数字が増えるほど添加剤の割合が多くなり極圧性が増します。

等級 内容

GL-1

軽負荷条件向け。

・無添加の基油で構成されていて、抗酸化剤、腐食防止剤、消泡剤などの若干の添加剤が含まれています。

・使用条件:低荷重、低速のスパーギヤ、ヘリカルギヤ、ウォームギア及びベベルギヤ

・トラックや農業機械のスパイラルベベルギヤやウォームギヤを用いたノンシンクロメッシュのトランスミッション向けに設計されています。

・自動車向け用途:自動車の潤滑条件を満足させないため全く使用されません。

GL-2

中程度の負荷条件向け。

・使用条件:速度、荷重のやや過酷な条件下のウォームギヤ及び、その他のギヤ(ハイポイドギヤを除く)

・耐摩耗性添加剤が含まれていて、ウォームギヤを用いたデファレンシャル向けに設計されています。

トラクターなどをはじめとする農業機械のトランスミッション潤滑に推奨される。

・自動車向け用途:自動車の潤滑条件を満足させないため、特殊な場合を除いてほとんど使用されていません

GL-3

中程度の負荷条件向け。

・耐摩耗性添加剤:2.7%

・使用条件:GL-1、GL-2レベルのギヤーオイルに不適当な条件下のギヤに用いる(ハイポイドギヤには不適当)

・ベベルギヤやその他の種類のギヤで構成されたトラックのトランスミッション向け。

・差動装置が存在しない2輪車のギヤオイルとして広く用いられる他、4輪車のトランスミッションオイルとして純正指定される事があります。

・自動車向け用途:トランスミッション、ステアリングギヤー及び条件の緩やかなディファレンシャルギヤー(ハイポイドを除く)

GL-4

軽負荷から重負荷まで様々な条件に対応。 SUZUKI純正4輪ギヤオイル

・耐摩耗性添加剤:4.0%

・ベベルギヤやハイポイドギヤで構成された軸変位の小さなギヤボックスやアクスルユニット向けに設計されています。

・使用条件:ハイポイドギヤ及びきわめて過酷な条件下のギヤ

・自動車向け用途:ディファレンシャルギヤ、トランスミッション及びステアリングギヤ

GL-5

過酷な負荷条件向け。 TOYOTA純正ハイポイドギヤオイルLSD

・耐摩耗性添加剤:6.5%

・使用条件:GL-4よりも過酷な条件下のハイポイドギヤに用いる。高速低トルク、低速高トルク、高速衝撃荷重に耐える。

・自動車向け用途:特に過酷な条件のディファレンシャルギヤ

GL-6

極めて過酷な負荷条件向け。(高速での摺動及び大きな衝撃荷重がかかる条件下)

・耐摩耗性添加剤:10.0%以上

・使用条件:GL-5よりも過酷な条件のハイポイドギヤに用いる。高速低トルク、低速高トルク、高速衝撃荷重に耐える。

・自動車向け用途:非常に過酷な条件のディファレンシャルギヤ

 
 ■ミッション(ギヤ)オイルの交換時期

・ミッションオイルの交換時期に関しては、長くても2年、または走行距離20,000kmを目安に交換です。

・下記の症状がある場合は、すぐ交換した方がよいでしょう。

  *ギアの入りが少しでも悪くなっていたら、間違いなくギアが摩耗しているので、即交換です。

  *燃費の悪化や加速が落ちる。

  *変速ショックが大きくなる。

 
 ■ミッション(ギヤ)オイルの交換工賃

・ミッションオイルの交換工賃は、Web検索すると下記の工賃です。

 ※ページ作成時の金額です。修理依頼する所に確認してください。

 施工する場所によってはここに表示している金額より前後します。

  *YellowHat → \1,620(税込[8%])〜

  *SUZUKIディーラー(油脂代含む) → \3,780(税込[8%])〜

 
 ■ギヤ?ギア? どちらが正しい言い方?

・「ギヤ」と「ギア」どちらの言い方が正しいのか?

 どちらも正しい言い方のようですが、調べてみると面白い事に気付きます。

   国土交通省や自動車整備振興会など、自動車業界での正式な表記は「ギヤ」となります。

   時計業界での正式な表記は「ギア」となります。

   日本語読みでは一般的に「ギア」のようです。

 

「ギヤ」をGoogle検索すると

 アイテム(ツール)のような物や、自動車部品、バイク部品が検索されます。

 探している歯車(ここではあえて歯車といいます。)を多く見る事が出来ます。

 TAMIYAのラジコンカーの歯車も「ギヤ」と書いています。

 自動車の部品と同じような扱いなのでしょうか。

 

「ギア」をGoogle検索すると

 歯車を製造販売している会社名に「ギア」と付いている会社もあります。

 探している歯車をあまり検索する事が出来ませんでした。

 

 調べた結果

 小さく精密な歯車を「ギア」(ラジコンカーを除く)で、大きい強度のある歯車を「ギヤ」と言う感じでしょうか。

 どちらも同じ歯車の事を言っているので、どちらを言っても書いても間違えではありません。

 日本語読みでは「ギア」ですが、私のホームページは自動車の事を書いているので、「ギヤ」と書く事にします。

 
 ★必要な部品/材料 ★必要な工具

・ミッション(ギヤ)オイル GL-4 75W-90 または それ以上の性能の物

・液体パッキン(ThreeBond1215 または ホルツ液体パッキン)

・シールテープ ※液体パッキンの代用品。液体パッキンがある場合は不要。

・オイル処理剤

・ブレーキクリーナー

・お湯

・ウエス

・ビニール手袋 → 使い捨てができる物を数枚。

・汚れてもいい作業着 → ギヤオイルは臭いが独特なので捨てられる物

・ASTRO PRODUCTS オイルサクションガン

ASTRO PRODUCTS オイルサクションガン関連:ASTRO PRODUCTS オイルサクションガン

→ こちら




・ASTRO PRODUCTS 3/8DR プッシュ式スライドTハンドル

ASTRO PRODUCTS 3/8DR プッシュ式スライドTハンドル または 3/8inch(9.5sq)ラチェットハンドル

 

・3/8inch(9.5sq)エクステンションバー → 短い物

・3/8DR ドレンプラグソケット → 手元にあれば使ってください。

・2t(3T)ジャッキ

・リジットラック x 4

・タイヤ止め

・オイル受け

・バケツ

-------------下記は自作のリザーブタンク作成の場合に必要な物------------

※オイルサクションガンより手を汚さずに作業できます。

・500mlまたは1Lのペットボトル(蓋つき)

・ホース → 私の場合は6φ径で長さ1mぐらいの物を使用。

・コーキング(シリコン系)

・コーキングガン

・ティッシュペーパー → コーキング拭き取り時使用。

・ビニールテープ

・充電(電動)ドライバー

・ドリル刃 → ホースの外径に合わせたサイスを使用。

・カッター

 

 ★施工
 ■準備

温かいお湯を入れたバケツの中にミッション(ギア)オイルの缶ごと入れて、ミッション(ギア)オイルを温めます。【準備】

・温かいお湯を入れたバケツの中にミッション(ギヤ)オイルの缶ごと入れて、ミッション(ギヤ)オイルを温めます。

 ミッション(ギヤ)オイル注入時、少しでもオイルサクションガンがスムーズに動いて、負荷を無くすためです。

ジャッキを使って車体を持ち上げて、ジャッキポイントにリジットラックを4か所設置します。【リフトアップ】

・水平な所に車を停めます。

・サイドブレーキを引きます。

・リヤタイヤにタイヤ止めをします。

・作業しやすいように、車体をできるだけ高くリフトアップします。

 フロント側→リヤ側の順番でリフトアップします。

 ミッション(ギヤ)オイルを入れた時、適正量を入れるため、必ず車体の水平を維持してください。

・リフトアップ後、車体を揺らして安定している事を確認します。

 
 ■ミッション(ギヤ)オイル抜き取り
ミッション(ギヤ)オイルフィラープラグの位置

【フィラープラグ位置】

・フィラープラグの位置は、左の写真のように、助手席側の車内側ドライブシャフト上の方にあります。

 ちょうど影になっている所なので、見つけにくいと思います。

 クラッチケーブルとドライブシャフトがあって、狭い所にあるのでとても作業性が悪いです。

 関連:クラッチケーブル交換 [23710-75H00]

 → こちら

ミッション(ギヤ)オイルフィラープラグの位置

【フィラープラグ緩み】

必ず先にフィラープラグ(投入口)が緩む事を確認します。

 先にドレンプラグ(廃棄口)を緩めて、ミッション(ギヤ)オイルを抜いてしまった後、フィラープラグが外れなかったと言う事が無いようにするためです。

 フィラープラグを完全に外さず、緩ませるだけにします。

ミッション(ギヤ)オイルドレンプラグ位置【ドレンプラグ位置】

・ドレンプラグの位置は、エンジン中央下にあります。

ミッション(ギヤ)オイルドレンプラグ

【ドレンプラグ取外】

・ミッション(ギヤ)オイルで手を汚さないようにビニール手袋をします。

・オイル受けをドレンプラグを外した時に、すぐにミッション(ギヤ)オイルを受け取れるように準備します。

・ASTRO PRODUCTS 3/8DR プッシュ式スライドTハンドルか、3/8inch(9.5sq)ラチェットハンドルをドレンプラグに取付、ドレンプラグを取外します。

 ミッション(ギヤ)オイルが手にかかったり服を汚さないようにするため、ドレンプラグが外れるちょっと前に、長い3/8inch(9.5sq)エクステンションバーでドレンプラグを取外します。

・ドレンの穴からミッション(ギヤ)オイルが勢いよく抜け出てきます。

 ミッション(ギヤ)オイルの独特な臭いがします。

 出てきたミッション(ギヤ)オイルの色は、私のイメージとして鉄粉などで汚れた灰色っぽい色のミッション(ギヤ)オイルが出てくると思っていましたが、すごく綺麗な黄色が出てきました。

 ミッション(ギヤ)オイルが完全に抜けきるまで(雫が垂れなくなるまで)約2時間かかりました。

 

【フィラープラグ取外】

・ASTRO PRODUCTS 3/8DR プッシュ式スライドTハンドルか、3/8inch(9.5sq)ラチェットハンドルで緩ませた後、3/8inch(9.5sq)エクステンションバーでフィラープラグを取外します。

 

【プラグとミッション側の穴の清掃】

・フィラープラグに付いているミッション(ギヤ)オイル、液体ガスケットを取り除きます。

・ドレンプラグには磁石が付いています。

 ドレンプラグに付いているミッション(ギヤ)オイル、鉄粉、液体ガスケットを取り除きます。

 

・エンジン側のフィラー側とドレン側の穴のネジ山に付いているミッション(ギヤ)オイル、液体ガスケットを取り除きます。

   
 ■ミッション(ギヤ)オイル注入
ミッション(ギヤ)オイルドレンプラグ取付

【ドレンプラグ取付】

・ドレンプラグのネジ山に液体ガスケットを少量付けます。

 SUZUKIが指定する液体ガスケットはThreeBond製「1215」です。

 私の場合は、手元にあるHolts製の液体ガスケットシール [MH218]を使用します。

 ミッション(ギヤ)オイルドレンプラグ取付

ミッション(ギヤ)オイルドレンプラグ取付

・ドレンプラグを締めます。

 始めは手でねじ込んでからドレンボルト本締めします。

 [規定トルク:210kgf]

・液体パッキンを使用している方は、はみ出た分をふき取ります。

フィラー側の穴からミッション(ギヤ)オイルを入れます。

【ミッション(ギヤ)オイル注入】

 ミッション(ギヤ)オイルを注入する方法は3つあります。

  *エンジン下より注入する方法

  *助手席側のタイヤを外して、ドライブシャフトが通っている穴を利用する方法

  *エンジン上より注入する方法

 です。

 私の場合は、エンジン下からミッション(ギヤ)オイルをオイルサクションガンで注入する方法と、自作のリザーブタンクを作って、エンジン上よりミッション(ギヤ)オイルを注入する方法を紹介します。

・オイルサクションガンにミッション(ギヤ)オイルを吸い取ります。

・フィラー側の穴からオイルサクションガンでミッション(ギヤ)オイルを入れます。

 フィラー側の穴からミッション(ギヤ)オイル溢れてきたら規定量(Kei(ラピュタ)は2.7L)です。

・溢れたミッション(ギヤ)オイルを拭き取ってからパーツクリーナーで綺麗にします。

 

●自作のリザーブタンクを作成した場合 ※追記:2018.05.26.

・ミッション(ギヤ)オイルは粘度があるため、サクションガンでやると手が汚れたり、かなり苦労します。

 ペットボトルとホースでリザーブタンクを作成して、ミッションより上の高い位置からミッション(ギヤ)オイルを流し込む方法が楽なので紹介します。

 

【作成】※コーキングが完全に乾くまで使用しないでください。

・ペットボトルの底面をカッターで切り落とします。

・ペットボトルのキャップの中心にホースの外径と同じ穴を開けます。

・ホースをペットボトルのキャップの穴に通します。

・ビニールテープでペットボトルのキャップ下を固定します。

・ペットボトルのキャップ内にシリコンを流し込みます。

・ペットボトルのキャップをペットボトル本体に取付けます。

・はみ出たシリコンをふき取ります。

・ホースからペットボトル本体までビニールテープで巻き付けます。

・ホース側の方を口でくわえて息を吹きかけて、ホース内に入り込んでいるシリコンを吹き飛ばしてください。

 

ボンネットを開けます。

【使用方法】

@ ボンネットを開いて、ラジエーターとバッテリーケースの間にホースを車体下におろします。

A 作成したリザーブタンクをそのまま差し込みます。

  ここで安定しない場合は紐か養生テープでペットボトルを固定してください。

B エンジン下に潜り込み、ホースをオイルフィラープラグの穴に差し込みます。

C オイルフィラープラグの穴の下にオイル受けを置きます。

D 自作のリザーブタンクにミッション(ギヤ)オイルを半分ぐらい入れます。

E ホースにミッション(ギヤ)オイルが流れてきたら、ホースの先を少し抜いて、ホースの上側と下側を交互に握るとミッション(ギヤ)オイルが早くミッションに流れます。

F ペットボトル内のミッション(ギヤ)オイルが無くなったら、ホースの先をミッション側に押し込んで、ミッション(ギヤ)オイルを足してください。

G EとFの繰り返しで、オイルフィラープラグの穴からミッション(ギヤ)オイルが流れ出てきたらホースを抜いて、オイル受けに流してください。

  私の場合は、900mlのペットボトルの半分(約450ml)を入れた回は、が6回目であふれてきました。

H ホースの先をティッシュペーパーなどでくるんで、ペットボトルを素早く抜き取ります。

I 後の工程は同じやり方です。

  作業終了後にボンネットを閉じてください。

 

ミッション(ギヤ)オイルフィラープラグ取付【フィラープラグ取付】

・フィラープラグのネジ山に液体ガスケットを少量付けます。

  

・始めは手でねじ込んでからフィラーボルトを3/8inch(9.5sq)エクステンションバーで、フィラープラグを締めます。

 [規定トルク:210kgf]

・液体パッキンを使用している方は、はみ出た分をふき取ります。

 

【清掃】

・フィラープラグ、ドレンプラグの周辺などの汚れをパーツクリーナーで油分を綺麗に拭き取ります。

フィラー側の穴からミッション(ギヤ)オイルを入れます。【ミッション(ギヤ)オイル漏れ確認】

・少し時間を置いてから、フィラープラグ、ドレンプラグからオイル漏れしていない事を確認します。

 ミッション(ギヤ)オイルが漏れていると車検NGです。

オイル処理剤【ミッション(ギヤ)オイル処理】

・オイル受けに入った廃油は、オイル処理剤に入れて処分します。

 お住いの自治体によって処分方法が違う場合がありますので、確認してください。

 近くのディーラーまたは整備工場に処理(有料)してください。

ボンネットを閉じます。【リフトダウン】

・車体をリヤ側→フロント側の順番でリジットラックからおろします。

・リヤタイヤからタイヤ止めを取外します。

 

【作業完了】

・これで終了です。

 
 ★施工後

・狭い所なので作業がやりにくくて、オイルサクションガンでミッション(ギヤ)オイルを入れる時も時間がかかっていました。

  ※追記した方法で作業すると、交換作業は楽で時間短縮できます。

 ミッション(ギヤ)オイルの臭いが独特なので、手や作業着に付くとしばらく臭いが取れないです。

 

 追記:2017.01.08. クラッチケーブル交換 

 クラッチケーブルが切れたため交換しました。

 関連:クラッチケーブル交換 [23710-75H00]

 → こちら

 

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