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 スロットルポジションセンサー調整

2017.06.17.公開日

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 Keiworksのスロットルポジションセンサーを調整しました。

 

 ★今回調整する商品の紹介

・スロットルポジションセンサー [13420-77G00]

 スロットル開度を検知するセンサーです。

 スロットルポジションセンサーなどの各センサーからの信号を元にECU(エンジンコントロールユニット)が燃料噴射や点火のタイミングを演算するとても重要なセンサーです。

 K6Aエンジンのスロットルポジションセンサーは、ターボエンジンとNAエンジン共通の部品です。

 このスロットルポジションセンサーはHITACHI製なので、HITACHIの製品品番でSUBARUやNISSANなどの他社の自動車メーカーから購入できます。

 

・販売価格

\8,700 (税別)※モノタロウで販売している価格です。(※ページ作成時)

※新しくスロットルポジションセンサーを注文時、品番は代替品の 13420-77G01(ページ作成時) になります。

※品番変更の場合あります。

 
 ■スロットルポジションセンサーが故障した場合

・スロットルポジションセンサーが原因の不具合は下記のようになります。

  *アイドリング時の回転が不安定になる。

  *燃費が悪くなる。

  *ハッチングする時がある。

  *エンジンブレーキの効きが悪くなる。

 など

 この症状が出ている場合は、ダイアグノーシス(自己診断機能)で診断すると、コード13を表示する事があります。

 ダイアグノーシス(自己診断機能)は自分で簡単に調べる事ができるので、下記のリンクを見て一度診断してみてください。

 関連:ダイアグノーシス(自己診断機能)

 → こちら


 より細かい診断をしたい場合は有料ですが、診断機を持っているディーラーか整備工場で診断してください。

 

ダイアグノーシス(自己診断機能)で コード13 の表示がある場合は、フェイルセーフが作動します。

 コード13を表示したらスロットルポジションセンサー交換です。

 フェイルセーフはパソコンで言うセーフモードのようなもので、異常(断線、ショートなど)を検出した場合、ECUに設定された数値に変更したり、他のセンサーを使用し最低限の走行を可能にする機能です。

 スロットルポジションセンサーが故障すると、ECUが判断してフェイルセーフが作動します。

  *K6A ターボ車 → スロットル開閉度を 6度 としてシステムを制御して、VVTを停止します。

  *K6A NA車   → スロットル開閉度を 20度 としてシステムを制御して、VVTを停止します。

 フェイルセーフが作動すると、走行可能ですがスロットルレスポンスが低下して吹け上がりが悪くなります。

 フェイルセーフ機能が働く場合は、早めにスロットルポジションセンサーを交換してください。

 

ダイアグノーシス(自己診断機能)で異状なしの コード12 を表示した場合は、調整する事で直る場合があります。

 私の場合は、アイドリング時の回転が不安定で燃費も悪くなっていたため、ダイアグノーシス(自己診断機能)で確認時はコード12で異常なしを表示していました。

 ECUではスロットルポジションセンサーが壊れていないと診断しているので、スロットルポジションセンサーの点検して、壊れていないようなら調整する事にします。

 私の車にOBD2(故障診断コネクター)からスロットルバルブの開弁時間を表示する「A'PEXi i-cruising」を取付けています。

 最近アイドリング時の開弁時間の数値が安定していませんでしたが、A'PEXi i-cruisingにスロットルバルブの開弁時間を表示できていると言う事は、ECUにスロットルポジションセンサーからの信号が届いている事になります。

 関連:A'PEXi i-cruising

 → こちら

 

 また、運転席足元にあるヒューズボックス内の「IG METER [15A]」がヒューズ切れすると、エンジン始動しにくくなり、エンジンの回転も安定しません。




 このヒューズ切れの切り分け方法は、

  *「キー抜き忘れ警告ブザー」がなりません。

  *フロント運転席側のパワーウィンドウモーターが動作しない。

 ヒューズも念のため確認した方がよいでしょう。

 
 ■スロットルポジションセンサー交換の工賃

・スロットルポジションセンサー交換の工賃は、

 約\6,000ぐらいです。

 ここに部品代(スロットルポジションセンサー)がプラスになります。

 ※金額はこのページ作成時のもので、依頼する所に必ず確認してください。

 
 ★必要な部品/材料 ★必要な工具

・ウエス

・油性ペン

 

・マルチテスター → デジタル表示の物。無ければアナログ表示可。

・+ドライバー(#2) → 先の長い物

・ベントラチェットハンドル → 薄い物

・ベントラチェットハンドル用+ショートビット(#2)

※ASTRO PRODUCTS 9PC 薄型ベントラチェットハンドルセットのショートビットと7mm飛び出た14mmの厚みのベントラチェットハンドルを組み合わせて使用。

 

 ★施工

  施工時の注意点

  ・整備資格を持たずに施工する場合や、このページを見て施工した場合は、自己責任でお願いします。

  ・必ず部品を触る前や施工前に、体の静電気を車体以外の金属に触れて放電してください。

  ・作業は必ず平らな所で作業してください。

  ・火傷するので必ずエンジンが冷えている時に交換作業してください。

   今回の場合はエンジンを始動した状態で作業するので注意して作業してください。

 ■スロットルポジションセンサーの位置

【ボンネット】

・ボンネットを開けます。

【スロットルポジションセンサー位置確認】

・スロットルポジションセンサーの位置は、スロットルバルブの右側にあります。

 (左の図ピンク色に塗られている部品)

 わかりやすい位置に取付けられているので簡単に見つかります。

 

 
 ■スロットルポジションセンサー VCC-E2間 抵抗確認

【C39カプラー取外】

・スロットルポジションセンサーに刺してある「C39カプラー」を写真の赤矢印の所を押しながら上にC39カプラーを取外します。

 ハーネスは長くないので無理に引っ張ったりしないように注意してください。

 

【テスター測定レンジ】

・テスターの測定レンジを「抵抗(Ω)」を測るようにします。

 抵抗値は10KΩ以内の表示をするので、使用しているテスターの最適な測定レンジに設定してください。

【スロットルポジションセンサーの抵抗値確認】

・スロットルポジションセンサーの抵抗が壊れていないか確認します。

 左の写真の上側の端子(VCC)にテスターのリード棒(+側)を接触させます。

 左の写真の下側の端子(E2)にテスターのリード棒(−側)を接触させます。

 新品のスロットルポジションセンサーは 5KΩ です。

 整備書に書いてある許容範囲は 5KΩ ±1KΩ (6KΩ〜4KΩ) です。

 許容範囲外の場合は、スロットルポジションセンサーを交換です。

 私の車のスロットルポジションセンサーの数値は 4.78KΩ で許容範囲内なので、スロットルポジションセンサーは壊れていない事を確認しました。

 ダイアグノーシス(自己診断機能)では、コード12でスロットルポジションセンサーが壊れていないと正しい診断しています。

 と言う事は、スロットルポジションセンサーの位置がズレている可能性があるので、アイドリング時のVTA端子の電圧を確認する事にします。

 
 ■スロットルポジションセンサー VTA 電圧確認

【C39カプラー取付】

・C39カプラーをスロットルポジションセンサーに取付けます。

 スロットルポジションセンサーにツメがロックした時、音がするので確認してください。

 

【テスター測定レンジ】

・VTA端子から出ている電圧を調べます。

・テスターの測定レンジを「電圧(V)」を測るようにします。

 電圧は5V以内の表示をするので、使用しているテスターの最適な測定レンジに設定してください。

 ※C39カプラーのVCCの配線(Gr/R)は、ECUから5Vの電気が流れています。

 ※C39カプラーのVTAの配線(Gr/Bl)は、ECUにスロットルバルブの開弁信号を送ります。

 ※C39カプラーのE2の配線(O)は、ECUのセンサー系統のアースです。

 関連:ABA-HN22S(10型 MT)のECU配線

 → こちら

 関連:SUZUKIサービスマニュアル 電気配線図集(第1版) 1998年10月版

 → こちら


【VTA端子接続】

・C39カプラーの中央の配線(Gr/Bl)がVTA端子です。

 配線の周りにあるオレンジのゴムの隙間からテスターのリード棒(+側)を奥まで差し込みます。

・左の写真はテスターのリード棒(+側)をVTA端子に刺した状態です。

【アース接続】

・テスターのリード棒(−側)をボディーアースまたは、バッテリーの−端子に接触させます。

 私の場合は、テスターのリード棒(−側)の先にテスター用のワニグチクリップを付けてバッテリーの−端子に取付けました。

 

【テスター本体設置】

・テスター本体はバッテリーの近くに置きます。

 注意!
 これからエンジンを始動させるので、ヤケドや可動部分に挟まれケガをしないよう注意してください。

【エンジン始動】

エンジンの真上や可動部品周辺に工具が無い事を確認します。

・エンジンを始動させます。

 

【VTA端子の電圧確認】

・エンジンを始動させると、テスターの数値が上がります。

 整備書に書かれているスロットルポジションセンサーの基準電圧は 0.78〜0.83V です。

 基準電圧内ならスロットルポジションセンサーの点検/調整は不要なので終了です。

 

 私の車のスロットルポジションセンサーの電圧数値は 0.85V で、基準電圧より高くなっているので、調整が必要です。
 
 ■スロットルポジションセンサー 調整

【スロットルポジションセンサー固定ネジ】

・スロットルポジションセンサーを固定しているネジは2本あります。

 ネジを緩める前にマジック等でネジとスロットルポジションセンサーの本体側に印をつけます。

 私の場合は写真の赤矢印の所に印を付けました。

 後で元に戻さなければならない場合のためです。

・スロットルポジションセンサーを固定している奥のネジを緩めます

 今回の作業の山場と言ってもいいくらいだと思います。

 スロットルポジションセンサーの奥側のネジは、吸気温センサーがスロットルポジションセンサーを塞いで、スロットルポジションセンサー本体側の高さが邪魔をするため、普通の工具では使用できません

 ネジの頭を壊さないようにしっかりと差し込んで、ネジを緩ませなければなりません。

 20mm程の隙間しかないので、このネジを緩めるのに苦労します。

 スロットルポジションセンサーの高さがあるので、ベントラチェットハンドルよりも12mm先が長くなければいけません。

 

 ショートビットを手持ちのベントラチェットハンドルに差し込んで、何とかスロットルポジションセンサー本体を交わして、ベントラチェットハンドルもギリギリ使える状態になりました。

 スロットルポジションセンサーは普段調整する所ではありませんが、K6Aエンジンの設計する時に、吸気センサーの位置がもう少しエンジンの右側に付けるようにしてもらえればこんな苦労はしません。

 そこは専門工具を使用するようにディーラーと整備工場で稼げるようにしているのかもしれません。

・スロットルポジションセンサーを固定している手前のネジを緩めます

 こちらのネジは通常の工具で先の長い+ドライバー(#2)で緩める事ができます。

 

【スロットルポジションセンサー調整】

整備書に書かれているスロットルポジションセンサーの基準電圧は 0.78〜0.83V です。

 スロットルポジションセンサーを前後に動かして基準電圧の範囲内に合わせます。

 私の場合は 0.80V になるように調整しました。


【スロットルポジションセンサー固定ネジ固定】

・調整後、スロットルポジションセンサー固定ネジを締め付け固定します。

 固定ネジを締め付けしている時もテスターの数値を確認します。

 手前のネジを先に固定した方が楽に作業できると思います。

・ネジ締付後にもう一度テスターの数値を確認して、合わせた数値になっていることを確認します。

・この時点で多少エンジンの回転数が高めになっても、エンジンを一旦停止してから始動すると直ります。

【エンジン停止】

・エンジン停止します。

【テスターリード棒取外】

・テスターのリード棒(−側)をバッテリーの−端子から取外します。

・テスターのリード棒(+側)をVTA端子から抜き取ります。

VTA端子のオレンジ色のゴムをカプラー側に押し込んで、隙間が無い事を確認します。

【ボンネット】

・ボンネットを閉じます。

 

【動作確認】

・エンジンを始動させて、アイドリング時のエンジン回転数は 900±50rpm で安定していることを確認します。

 ※エンジンチューニングの状態によっては、この数値より高めになる事があります。

  私の場合は、イグニッションレジスタの 8番 を取付(進角)しています。→ ノーマルは 6番 が付いていました。

  若干高めの950〜1,000rpmになっています。

 関連:イグニッションレジスタ

 → こちら


・走行させて違和感が無いか?アイドリング時の回転数が正常な数値な事を確認します。

・エンジンに負荷をかけてエンストしないか確認します。

 アイドリング時にエアコンをONにしてエンストしないか?また、アイドルアップした後に回転が落ちた時にエンストしないかを確認して異状なければ作業終了です。

 エアコンをOFFにした後でアイドリングが安定しない場合は、ISCバルブのカーボン等の汚れの原因もあるので、クリーニングしてみてください。

  関連:ISCバルブ点検/清掃

  → こちら


・場合によっては、ECUのイニシャライズ(初期化)とラーニング(学習)をした方がいいと思います。

 ECUのイニシャライズ(初期化)とラーニング(学習)の方法は下記の関連リンクを見てください。

 関連:イグニッションレジスタ

 → こちら

 関連:ABA-HN22S(10型 MT)のECU配線

 → こちら


 ★施工後

・作業時間は約10分です。(写真、メモを含む)

・スロットルポジションセンサー調整時の距離:147,400Km

・スロットルポジションセンサーはあまり弄る所ではないのですが、アイドリングが高めだったり、アイドリングが安定しなかったりしたので、スロットルポジションセンサーの状態確認と調整しました。

 スロットルポジションセンサーを調べる前は、PCVバルブ、ISCバルブの点検/清掃、スパークプラグ交換、オルタネーター交換、ECUのラーニング(学習)を失敗しているのでは?と思って3回ぐらいしてみましたが症状が改善しなかったので、ダイアグノーシス(自己診断機能)で調べてもコード12を表示するだけでスッキリしていませんでした。

 今回のスロットルポジションセンサー調整で、アイドリング時のエンジン回転数も既定の回転数付近になり、アイドリングも安定してやっと原因がわかってスッキリした気がします。

 しばらくこの状態で走行して状態を確認します。

 場合によってはスロットルポジションセンサーを交換も考えています。

 関連:PCVバルブ

 → こちら

 関連:ISCバルブ点検/清掃

 → こちら

 関連:NGK IRIDIUM PLUG MAX [DCPR7EIX-P]

 → こちら

 関連:ダイアグノーシス(自己診断機能)

 → こちら

 
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