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 ISCバルブ点検/清掃

2017.03.19.公開日

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 Keiworksの「ISCバルブ」を点検/清掃します。

 

 ★今回点検する部品の紹介

・ISCバルブ = ISCV [Idole Speed Control Valve]


【詳細】※左の写真はステッピングモーター部分(上)/ロータリーバルブ部分(下)

・部品名

・純正部品番号

  works/B

  A

ISCバルブ

 

18117-78G50 ※10型

18117-73H01 ※10型

※同一車種・年式によって、グレードによって適合しない場合があります。

※部品番号が変更される場合があります。

 関連:車の部品購入時に車検証で確認する事

 → こちら

・販売価格

  works/B

  A

モノタロウとAmazonで ※ページ作成時の価格と消費税率です。

¥29,592(税込[8%]:送料無料/代引手数料など別)で販売しています。

¥29,592(税込[8%]:送料無料/代引手数料など別)で販売しています。

 

【ISCバルブを新しく購入する方】※下記の金額表示は、このページ作成時の物です。

・ISCバルブを新しい物に交換する場合は、下記の物を購入してください。

 エンジンによって使用するスロットルボディのガスケットが違うので注意してください。

・バルブパッキン [14139-77G10] 

 ※バルブパッキンは10型 Works/B/A共通です。

 モノタロウで \194(税込[8%]:送料/手数料別)で販売していました。

 ※ページ作成時の価格と消費税率です。

 

works/B の ターボエンジンの方は、下記のスロットルボディガスケットを購入してください。

・スロットルボディ ガスケット [13421-77G00]

 ※10型 Works/Bです。

 モノタロウで \151(税込[8%]:送料/手数料別)で販売していました。

 ※ページ作成時の価格と消費税率です。

 

タイプA の NAエンジンの方は、下記のスロットルボディガスケットを購入してください。

・スロットルボディ ガスケット [13421-83G00]

 ※10型NA用

 モノタロウで \626(税込[8%]:送料/手数料別)で販売していました。

 ※ページ作成時の価格と消費税率です。

 
 ★ISCバルブについて

【ISCバルブとは】※ISCVと表記されている場合があります。

・ISCバルブの正式な呼び方は、「アイドルスピードコントロールバルブ」と言います。

 SUZUKIの軽自動車のISCバルブも年式や同じK6Aエンジンでも、形とステッピングモーターの固定するネジの数が2本または3本の物があります。

 ISCバルブはアクセルワイヤーの付いた車だけ付いているので、最近の電子制御の車にはISCバルブは付いていません。

 

【ISCバルブの仕組み】

 エンジンがアイドリング状態の時に、アクセルの開度とは別に空気を取り込む所(左の写真赤矢印)がスロットルボディーのバタフライの手前にあります。

 ISCバルブはステッピングモーターの先に円錐状のゴム栓が付いていて、気温や燃焼ガス濃度などのデータを元に規定の空気を入れる為に開いたり閉じたりしています。

 

<エンジン始動前の状態>

・すべてのバルブが締まった状態です。

<アクセルONの状態>

・アクセルペダルの踏む量によってスロットルバルブの可動量が変わります。

<アイドリングの状態>

・アクセルペダルから足を離した状態です。

 このままではエンジンストップしてしまうので、ISCバルブが気温や燃焼ガス濃度などのデータを元に規定の空気を入れる為に開いたり閉じたりしています。

 ISCバルブが開いている時の状態です。

 空気がISCバイパスを通って、インテークマニホールドに流れています。

 

【ISCバルブASSYの場所】

・K6AターボエンジンのISCバルブASSYの位置は、エンジンに向かって見て、スロットルボディーの下部にあります。

 

 今回点検/清掃する部品は、ISCバルブのステッピングモーターとロータリーバルブです。

 

・ステッピングモーターの位置は、下の図の位置(赤く色の付いた部分)で、写真で赤く囲っている部分です。

   

・ロータリーバルブの位置は、写真の赤丸に囲っている所にあります。

 ロータリーバルブはインタークーラーの陰に隠れています。

 

 

【ISCバルブのトラブル】

・ISCバルブのバイパスがブローバイガスの汚れが蓄積され、アイドリング関係の不調に繋がる事が多いようです。

 100,000Km以上走行している場合は、一度ISCバルブの点検と清掃された方がよいかと思います。

 年数が経っている車程、この症状が出てきます。

 ISCバルブが原因でエンジンが不調になる主な症状は、下記の通りになります。

  ●エアコン使用時にアイドルアップしない。

   夏場に起こりやすいトラブルで、エアコンなど使用してエンジンに負荷がかかるとアイドリングが低くなってエンストします。

 

  ●アイドリングが不安定/維持できない。

   アイドリング時にエンジン回転が安定しない。

   信号待ちなどでエンストする。

   アイドリング時、エンジンの回転が高くなってしまう。 → ECUイニシャライズ/ラーニングで直らない。

 

  ●ISCバルブの固着が原因でアイドリングが安定しない。

   ISCバルブの固着が原因で、アイドリングが安定しない場合があります。


 ISCバルブの清掃で改善されることがあります。

 

<ISCバルブ以外の原因>

・ISCバルブ以外の原因またはISCバルブが原因じゃない場合も疑って、下記の事を確認します。


●確認1:「IG METER」ヒューズ

 運転席足元にあるヒューズボックス内の「IG METER [15A]」がヒューズ切れすると、エンジン始動しにくくなり、エンジンの回転も安定しません。

 

 この「IG METER」ヒューズ切れの切り分け方法は、

  *「キー抜き忘れ警告ブザー」がなりません。

  *フロント運転席側のパワーウィンドウモーターが動作しない。

 ヒューズも念のため確認した方がよいでしょう。

 

●確認2:バッテリーの電圧

 ISCバルブが正常動作していた場合、エンジン始動している時のバッテリーの電圧を確認します。

 電圧が低い場合は、オルネーターからの電気がバッテリーに充電されないため、エンジン回転が低い時に電圧が落ちるとアイドリングが安定しなくなる場合があります。

 この場合はオルネーターを交換して電圧が安定するのを確認して、アイドリング時のエンジン回転が安定していれば修理完了です。

 関連:オルタネーター交換

 → こちら

 



●確認3:カム角センサー

 ISCバルブが正常動作している場合、カム角センサーの不良が原因でアイドリングが安定しないまたはエンストしてしまう場合があります。

 カム角センサーをエンジンから取外して動作確認します。

 確認方法は、エンジンキーをONにした時、ドライバーをセンサーの前を通すと電圧が0V〜5Vの間で変化したら正常です。

 カム角センサーが反応なければ交換します。

 自分で調べられない場合は、ダイアグノーシス(有料)のあるディーラーまたは整備工場でカム角センサーが正常か確認してください。

 カム角センサー壊れている場合は交換してください。

  関連:ダイアグノーシス(自己診断機能)

 → こちら

 



●確認4:スロットルポジションセンサー

 スロットルポジションセンサーの位置がズレたり、壊れているとアイドリング時の回転数が安定しなかったり、アイドリングが高めになったりします。

関連:スロットルポジションセンサー調整

→ こちら



●確認5:スパークプラグ(イグニッションコイル)

 スパークプラグ(イリジウム)の寿命は、7,000〜10,000Km(軽自動車の場合)です。

 電極が汚れていたり、減っていると、下記の症状が出てきます。

  *アイドリング不安定

  *加速不良

  *エンジン始動不良

  *馬力が無くなる

 スパークプラグ交換で直る場合もあります。

 また、イグニッションコイルの寿命は、100,000Kmです。

 イグニッションコイルもスパークプラグと同じ症状になります。

 関連:DENSO IRIDIUM POWER [IXU22]交換

       → こちら

 関連:DENSO IRIDIUM TOUGH [VXU22]

       → こちら

 関連:NGK IRIDIUM PLUG MAX [DCPR7EIX-P]

 → こちら



●確認6:ECU

 ISCバルブが正常動作している場合、ECUの動作不良(ISCバルブを制御している回路に使われているトランジスターの破損)のため症状が改善できない場合があります。

 この場合はECUが高額な物になるので、ダイアグノーシス(有料)のあるディーラーまたは整備工場でECUが正常か確認してください。

 ECUが壊れている場合はECUも同時交換してください。

 ISCバルブASSYとECUが壊れた場合は、部品代だけで 約\91,000 で高額になってしまいます。

 ※金額はページ作成時の物です。

 関連:ABA-HN22S(10型 MT)のECU配線

 → こちら

 

など....

 疑いがある場合は、ダイアグノーシス(自己診断機能)でダイアグコードを確認するか、ダイアグモニタ(故障診断機)[有料]で調べた方が手っ取り早く原因が分かります。

  関連:ダイアグノーシス(自己診断機能)

 → こちら

 

【ISCバルブ交換の工賃】※目安としてみてください。

・パーツリストを見ると、SUZUKIの標準作業時間は「1.0」になっています。

 実際はクーラントのエア抜きとECUの学習内容のリセット/アイドリングの学習などでもう少し時間がかかると思います。

 ディーラーや整備工場で作業してもらうと ※整備する所によって変わります。

   清掃だけなら  → 約\7,000〜

   ISCバルブ交換 → 約\8,000〜

 工賃と部品など合わせると\42,000(税込[8%])前後です。

 ※部品はすべて新品で、作業が標準作業時間の1時間で終わった場合で計算です。

 ※金額と消費財率はページ作成時の物です。

 
 ★必要な部品/材料 ★必要な工具

・ウエス

・軍手

・綿棒

・パーツクリーナー(石油系溶剤)

・パーツクリーナーの蓋

・養生(新聞紙でも可)

・養生テープ

・+ドライバー(#2) ※先の短い物で磁気を帯びている物

 ↑ビットラチェット と +ビット(#2)[100mm]があると作業が楽です。

・プライヤー

・ラジオペンチ

・六角レンチ → 長い棒でも可(清掃で使用)

・ラチェットハンドル

・ボックス[8mm]

・ブラシ → 歯ブラシで毛の硬さが柔らかい物

・テスター → デジタル表示する物

・ラウンドインスペクションミラー(下の写真)

 ←\100ショップで購入。

---------------------------------------------------------------

●スパークプラグを点検される方

・ラチェットハンドル

・ボックス[8mm]

・ボックス[10mm]

・ボックス[19mm]

・プラグレンチ[19mm x 180mm] → 肉厚が薄くて長い物

・テスター → スパークプラグの断線確認用

 

 ★施工

  施工時の注意点

 ・必ず部品を触る前や修理する前に、体の静電気を車体以外の金属に触れて放電してください。

 ・今回清掃/点検する部品は高価な物なので、取扱注意してください。

  パッキンやネジなど単体で部品を購入する事ができないためで、部品も高額です。

 ・整備資格を持たずに施工する場合や、このページを見て施工した場合は、自己責任でお願いします。

 ・作業は必ず平らな所で作業してください。

 ・火傷するので必ずエンジンが冷えている時に交換作業してください。

 このページで紹介している作業は、ISCバルブのステッピングモーターとロータリーバルブの点検と清掃です。

 ※部品の名称の読み方は多少違う場合があります。

 ■ISCバルブの部品取外

【ボンネット】

・ボンネットを開きます。


【エアクリーナー/インタークーラー/エアクリーナーアウトレットパイプ取外】

・作業に邪魔になるエアクリーナー/インタークーラー/エアクリーナーアウトレットパイプを取外します。

 各パーツの取外方法は、下記の関連リンクを見てください。

*インタークーラー取外 :

 関連:インタークーラー脱着方法

 → こちら(#取外)

*純正エアクリーナータイプ :

 関連:純正エアクリーナーボックス脱着方法

 → こちら

*社外品エアクリーナータイプ/エアクリーナーアウトレットパイプ:

 関連:サティスファクション カーボン コールド エアインテーク システムズ取付

 → こちら



【PCVホース取外】

・作業しやすいようにPCVホースを取外します。

 写真の黄色い矢印の所にあるクリップをプライヤーで摘まんで移動させます。

・写真の赤く囲んだ配管(PCVホース)を取外します。

 関連:PCVバルブ

 → こちら

 関連:Prof 汎用ブローオフバルブ取付(大量開放タイプ)

 → こちら



【ISCバルブコネクター取外】

・ISCバルブのステッピングモーターに付いているコネクター上部のツメを押しながらコネクターを外します。

 

【養生】

・ISCバルブの下に養生をします。

 ISCバルブのステッピングモーターを固定しているネジなどの落下による紛失や破損を防ぐためです。

【ISCバルブのステッピングモーター固定ネジ取外(奥側)】

・ISCバルブのステッピングモーターの奥側(車内側)で固定しているネジを+ドライバーで取外します。

 このネジは絶対紛失破損させないでください。

 ネジ単体での部品の注文ができません。

 紛失/破損はISCバルブASSYとバルブパッキンを購入になります。

【ISCバルブのステッピングモーター固定ネジ取外(手前側)】

・ISCバルブのステッピングモーターの手前側を固定しているネジを+ドライバーで取外します。

 ネジの左側が窪んでいます。

 ISCバルブのステッピングモーター取付時の目印にします。

 スロットルボディーはMIKUNI製です。

 

 このネジは絶対紛失破損させないでください。

 ネジ単体での部品の注文ができません。

 紛失/破損はISCバルブASSYとバルブパッキンを購入になります。

 

【ISCバルブのステッピングモーター取外】

・ゆっくりと手前側(エンジン向かって左側)へ平行移動して、ステッピングモーターをISCバルブASSYより抜き取ります。

 

【ISCバルブのステッピングモーターに付いているゴムパッキン】

・ISCバルブのステッピングモーターに付いているゴムパッキン(オレンジ色)を取外します。

 ※ISCバルブASSY側に付いている場合があります。

 

 このゴムパッキンは絶対紛失破損させないでください。

 パッキン単体での部品の注文ができません。

 紛失/破損はISCバルブASSYとバルブパッキンを購入になります。

 ※ホームセンターで同じ径と太さのゴムパッキンがあれば代用できます。

【ISCバルブのロータリーバルブ取外】

・スロットルボディー正面下のISCバルブASSYにロータリーバルブがあります。

 他の方の作業をしているホームページやブログを見ても、あまりここを清掃する方はいないようです。

 ロータリーバルブを取外には、蓋の左下のネジを+ドライバーで取外します。

 ゆっくりと蓋を外すと、部品が外れます。

 黒いゴムパッキンが付いているので、傷めないよう注意してください。

 

 このゴムパッキンは絶対紛失破損させないでください。

 パッキン単体での部品の注文ができません。

 紛失/破損はISCバルブASSYとバルブパッキンを購入になります。

 ※ホームセンターで同じ径と太さのゴムパッキンがあれば代用できます。

 

・部品がいくつか取れますが、ISCバルブASSY側にロータリーバルブのバタフライの部品が付いているので、ラジオペンチで取外します。

 ここで取出す部品(蓋、バネ、バタフライ、ゴムパッキン)は絶対紛失破損させないでください。

 部品(蓋、バネ、バタフライ、ゴムパッキン)単体での部品の注文ができません。

 紛失/破損はISCバルブASSYとバルブパッキンを購入になります。

 ※ホームセンターで同じ径と太さのゴムパッキンがあれば代用できます。

・写真は取出した部品を入っていた時と同じように組んだ物です。

 蓋とバタフライ部分の部品には溝が付いているので、組み方を忘れる事が無いと思いますが、この状態で組み付ける事を覚えておいてください。

 

・ロータリーバルブの取出ができました。

 中を見るとかなり黒く汚れています。

 

 
 ■ISCバルブのステッピングモーター点検

【ISCバルブのステッピングモーターの電気的な障害確認】

・ステッピングモーターは、ECUから6本の配線[C17カプラー(NAはC16)]で接続して制御しています。

 ステッピングモーター内のコイルが断線(破損)していないか確認します。

 関連:ABA-HN22S(10型 MT)のECU配線

 → こちら

 ステッピングモーター側の端子間の抵抗値(Ω)を計ります。

  A と @

  A と B

  D と C

  D と E


 正常なステッピングモーターの端子間抵抗規定値(基準値)

  works/B  → 49.5Ω ±5Ω (44.5Ω〜54.5Ω)

  タイプA  → 28Ω〜32Ω(20℃の時)

 この規定値以外の数値の場合は、ISCバルブASSYの交換になります。


 私の車のステッピングモーターの端子間抵抗値は

 すべて 51Ω(+1.5Ω) で規定値の範囲内です。

 私の車のISCバルブのステッピングモーターは、コイルの断線が無い事を確認しました。


 ■ISCバルブのステッピングモーター清掃

【ISCバルブのステッピングモーター清掃】

●作業前の注意事項

・ISCバルブASSYとスロットルボディー内に付着したカーボンなどの清掃作業は、パーツクリーナー(石油系溶剤)を使って汚れを落とします。

 ISCバルブASSYにステッピングモーターを取付した状態で、パーツクリーナー(石油系溶剤)やエンジンコンデショナーを直接吹きかけると、

 内部に洗浄剤が浸入し、コイル線の絶縁皮膜が溶解してショートすると、ECUのISCバルブ駆動用回路に過電流が流れECUも破損します。

 ISCバルブASSYからステッピングモーターを取外した状態でも、パーツクリーナー(石油系溶剤)をよく拭き取らないと、同じように破損します。

 ISCバルブASSYとECUが壊れた場合は、部品代だけで 約\91,000 で高額になってしまいます。

 

●ステッピングモーターのパッキン清掃/点検

・ゴムパッキンに付いている油分を綺麗に拭き取ります。

・ゴムパッキンの状態を確認します。

 キズや切れている場合は、ISCバルブASSYの交換になります。

 ※同じ径で同じ太さのゴムパッキンがホームセンターに売っているようであれば、代用してください。


●ステッピングモーター清掃/点検

ステッピングモーターの清掃は、慎重に作業してください。

  絶対にパーツクリーナーを直接吹きかけないでください。

  高い所から落下させないようにしてください。

・ゴム栓と金属部分の境目とゴム栓にカーボンが付着しています。

 パーツクリーナー(石油系溶剤)のキャップに液を入れて、綿棒に洗浄剤を少量染み込ませてからISCバルブのゴム栓に付着したカーボンを取り除きます。

 綿棒が汚れたら新しい物に取り替えてください。

・左の写真は清掃後です。

 カーボンは綺麗に取り除かれました。

 清掃前のゴム栓を光に当てた時は、鈍く反射していました。


●ゴム栓点検

・ゴム栓の状態を確認します。

 傷んでいたり、切れている場合は、ISCバルブASSYの交換になります。

 

 
 ■ロータリーバルブ清掃と点検

バタフライの清掃/点検

・ロータリーバルブにパーツクリーナー(石油系溶剤)を吹きかけて、ブラシとウエスで汚れを拭き取って清掃します。

 バタフライが一番汚れているので、念入りに清掃します。

・バタフライの状態を確認します。

 欠けている、割れているなど破損している場合は、ISCバルブASSYの交換です。

●蓋の清掃/点検

・蓋には黒いゴムパッキンが付いているので取外します。

 黒いゴムパッキンを破損または無くさないよう注意してください。

・蓋部分はブラシを使ってパーツクリーナーで汚れを落とします。

・黒いゴムパッキンの油分や汚れを落とします。

・蓋の状態を確認します。

 破損している場合は、ISCバルブASSYの交換です。

・黒いゴムパッキンの状態を確認します。

 キズや切れている場合は、ISCバルブASSYの交換になります。

 ※同じ径で同じ太さのパッキンがホームセンターに売っているようであれば、代用してください。


●バネの清掃/点検

・バネの部分もブラシを使ってパーツクリーナーで汚れを落とします。

・バネの状態を確認します。

 ヒビが入っていたり変形して破損している場合は、ISCバルブASSYの交換です。

 

●ロータリーバルブ部分の仮組

・ロータリーバルブの清掃が終わりました。

 念のため組んだ状態にしておきました。

 ■スロットルボディーとISCバルブ本体の点検と清掃

●スロットルボディーの清掃

・スロットルボディーのバタフライ部分とISCバルブへのバイパス配管がカーボンで汚れています。

 パーツクリーナー(石油系溶剤)を吹き付けて、付着したカーボンは清掃します。

・見えている部分のバタフライとISCバルブのバイパス配管にパーツクリーナー吹き付けて汚れを落とします。

 なるべくバタフライの軸の両脇部分には直接パーツクリーナーは吹きかけないでください。

 ISCバルブ本体のステッピングモーターの穴とロータリーバルブの穴からパーツクリーナーが流れ出てきます。

 必ず受ける容器またウエスを用意してください。

 ラウンドインスペクションミラーを使うとISCバルブのバイパス配管の中を確認できます。

 

・スロットルボディーのバタフライの淵の部分や裏側とその奥を清掃する時、写真の赤矢印の黒いレバーを手前に引くと、バタフライが開きます。

 



・バタフライを開いた状態で清掃します。

 バタフライより奥は綿棒かウエスにパーツクリーナー(石油系溶剤)をしみこませて清掃してください。

 綿棒かウエスが汚れたら新しい物に取り替えてください。

 ラウンドインスペクションミラーを使うとバタフライ奥の状態を確認できます。

 バタフライの奥に四角い穴があります。

 その穴にパーツクリーナー(石油系溶剤)の間スプレーの先にホースをつけて吹きかけます。

 パーツクリーナー(石油系溶剤)の液がステッピングモーターとロータリーバルブの穴から出て来るので、必ずウエスをISCバルブの下に置いてください。

・左の写真は清掃後です。

 周りに付いていたカーボンが綺麗に取り除かれました。


 スロットルボディー内を洗浄するクリーナーが販売されています。

 簡単に綺麗になりますが、排ガス(白煙)で近所迷惑になってしまいます。

 クリーナーの薬剤でISCバルブを破損する場合があるので、このページで紹介した方法で清掃した方が良いでしょう。

●ISCバルブASSY側のロータリーバルブ部分の清掃

・ISCバルブASSY側のロータリーバルブが付いている部分にカーボンなどが付着しています。

 パーツクリーナー(石油系溶剤)を吹き付けて、ISCバルブASSYに付着したカーボンなどを清掃します。

 綿棒かウエスで拭き取ってください。

 綿棒かウエスが汚れたら新しい物に取り替えてください。

 

●ISCバルブASSY側のステッピングモーター部分の清掃

・ISCバルブASSY側のステッピングモーターが付いている部分にもカーボンなどが付着しています。

 パーツクリーナー(石油系溶剤)を吹き付けて、ISCバルブASSYに付着したカーボンなどを清掃します。

 綿棒かウエスで拭き取ってください。

 綿棒かウエスが汚れたら新しい物に取り替えてください。

 ラウンドインスペクションミラーを使うと清掃作業は楽です。

 

 

・左の写真は清掃後です。

 周りに付いていたカーボンを綺麗に取り除きました。

 

●スロットルボディー周辺清掃

・スロットルボディー周辺も清掃しました。

 

●インタークーラー内部清掃

・インタークーラー内部も汚れています。

 パーツクリーナーをインタークーラー内に多めにかけて吹きかけ、インタークーラーを振ってパーツクリーナーを循環させます。

 インタークーラー洗浄後は配管の出入口を上下にして、インタークーラー内のパーツクリーナーの液を抜き取ってください。

 この状態で約30分放置します。


 関連:インタークーラー脱着方法

 → こちら

●スパークプラグ清掃/点検

・インタークーラーを取外しているので、念のためにスパークプラグも清掃点検した方がいいと思います。

 関連:DENSO IRIDIUM POWER [IXU22]交換

       → こちら

 関連:DENSO IRIDIUM TOUGH [VXU22]

       → こちら

 関連:NGK IRIDIUM PLUG MAX [DCPR7EIX-P]

 → こちら

 
 ■ISCバルブのロータリーバルブとステッピングモーター取付

●ISCバルブのロータリーバルブ取付

・左の写真の状態でISCバルブASSYに取付します。

 バタフライ部分は向きがあるので注意してください。

・ロータリーバルブの蓋を取付時、ゴムパッキンを挟んだりしないよう注意して取付します。

・左下の固定ネジを締めます。

●ステッピングモーター取付

【パッキン取付】

・ゴムパッキン(オレンジ色)をステッピングモーターに取付します。

【ステッピングモーター取付】

・ステッピングモーターの上下方向に注意して取付します。

 ネジ部分に切り込みがある方が手前側です。

・ISCバルブASSYとステッピングモーターを固定するネジを交互に締付けます。

 


【ISCバルブコネクター取付】

・ISCバルブのコネクターを奥までしっかりと取付します。

 

【養生撤去】

・ISCバルブ周辺にしていた養生を取外します。

【PCVホース取付】

・PCVホースを取付します。

・クリップをプライヤーで摘まんで移動させて、PCVホースを2か所固定します。

 関連:PCVバルブ

 → こちら

 関連:Prof 汎用ブローオフバルブ取付(大量開放タイプ)

 → こちら



【エアクリーナー/インタークーラー/エアクリーナーアウトレットパイプ取付】

・エアクリーナー/インタークーラー/エアクリーナーアウトレットパイプを取付します。

 各パーツの取外方法は、下記の関連リンクを見てください。

*純正エアクリーナータイプ:

 関連:純正エアクリーナーボックス脱着方法

 → こちら

*社外品エアクリーナータイプ/エアクリーナーアウトレットパイプ:

 関連:サティスファクション カーボン コールド エアインテーク システムズ取付

 → こちら

*インタークーラー取付:

 関連:インタークーラー脱着方法

 → こちら(#取付)


 
 ■ECUイニシャライズ(初期化)
 ※ECUイニシャライズは、ISCバルブ作業前に外した方が作業時間短縮できます。
ECUカバーを上から被せるようにECUに取付けます。

・ISCバルブのカーボンや汚れを取り除いたので、必ずECUが学習している状態を一度初期化しなければなりません。

 この作業はとても重要な作業になります。

 ECUのラーニング(学習)をしっかりしないと、アイドリングが高めになったり、エアコンを使用時のアイドルアップが正しく行われず、エンストすることになります。

 エンジンに負荷がかかってエンジン不調になってしまうこともあります。

 この場合は再度ECUをイニシャライズ(初期化)→ラーニング(学習)をすることになります。

 関連:ABA-HN22S(10型 MT)のECU配線

 → こちら

 関連:イグニッションレジスタ

 → こちら

 

【体の静電気放電】

・この作業前に車体など金属部分に触れて体内にある静電気を必ず放電してください。

 ECUなど静電気に弱い部品を弄るので、静電気でECUが壊れると¥65,000ぐらいのお金が必要になります。


ECUの左側に付いているカバー上に持ち上げるようにして取外します。

【ECUカバー取外】

・ECUの左側に付いているカバー上に持ち上げるようにして取外します。

ECUの左側に付いているカバー上に持ち上げるようにして取外します。

【ECUカプラー取外/ECU初期化】

・ECUから34Pカプラー(右)を取外します。

 34Pカプラー(右)にはアース線があります。

 防水加工のカプラーなので少し外しにくいですが、カプラー上部のツメを押して外します。

・ECUから26Pカプラー(左)を取外します。

 26Pカプラー(左)には+の配線があります。

 防水加工のカプラーなので少し外しにくいですが、カプラー上部のツメを押して外します。

・放電時間は10分間です。

 

ECUカプラー取付

【ECUカプラー取付】

・ECUに34Pカプラー(右)を差し込みます。

 34Pカプラー(右)にはアース線があります。

・ECUに26Pカプラー(左)を差し込みます。

 26Pカプラー(左)には+の配線があります。

 関連:ABA-HN22S(10型 MT)のECU配線

 → こちら

 

ECUカバーを上から被せるようにECUに取付けます。

【ECUカバー取付】

・ECUカバーを上から被せるようにECUに取付けます。

 ECUカバーを上から被せるようにECUに取付けます。

 
 ■ECUラーニング(学習)
エンジン始動

【ECU学習】

・運転席側のドアか窓を開けた状態にします。

・イグニッションキーを「ON」にすると、エンジンルーム内のISCバルブから「ジジジ」とイニシャライズ音がします。

 イニシャライズ音が聞こえたらエンジンキーを「OFF」にします。

 これを3回繰り返します。

・一度イグニッションキーを抜いてから差し込みます。

・エンジン始動して、10分間アイドリングします。→ アイドリング時のエンジン回転数のラーニング(学習)

 この時、エンジンに負荷がかからないようにしてください。

 エアコンは必ず「OFF」です。

・10分後にエンジンを停止して、一呼吸してからエンジンを再始動します。

ボンネットを閉じます。

・ボンネットを閉じます。

・エンジンを再始動します。

・なるべく一定の速度で、10Km〜50Km走行するとECUの学習完了です。

 Web検索していると、30mごとにECUが学習しているようです。

 ECU学習中はエアコンを必ず「OFF」にして走行してください。

・イグニッションレジスタ交換後、メーター内のエンジン警告灯が点いていない事を確認します。

 エンジン警告灯が点いている場合は、すぐ安全な場所に車を停めてエンジン停止してください。

 ディーラーまたは近くの整備工場で点検/修理してください。

 イグニッションレジスタを納車時に付いていた番号に戻してください。

 
 ★施工後

・ISCバルブの点検/清掃は、納車〜143,602Kmまで一度も点検/清掃はしていませんでした。

 去年(2016年)の8月ぐらいのエアコンを使う時期ぐらいから、エアコンを使った後のアイドリングが不安定になる症状が出ていました。

 夏の暑さが無くなってきてからしばらくエアコンを使用していなかったので、アイドリングもその後安定していましたが、今年(2017年)2月ぐらいからアイドリングが安定しなくなったため、一度新しいスパークプラグを購入して取付ましたが改善されませんでした。

 Webなどで検索して同じ症状の出ている車のホームページを見て、ISCバルブの清掃すると直ると書いてあったので、私も点検と清掃する事にしました。

 ISCバルブを点検すると断線はありませんでしたが、カーボンがいっぱい付いていました。

 点検/清掃後はアイドリングが安定して不具合なく走行しています。

 

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